【わたしの原子力秘史シリーズ その2】原発、反原発、原子力断捨離とは?
物理の先輩で反原発活動をしていた水戸共生さん 私は水戸共生さんとは大学で同じ学部の一年下でした。彼は大学の学寮住まいで、私はそうでなかったので、頻繁に会うことはなかったけど、試験時期に流体力学という科目の試験で講堂に居合わせた共生さんとふたことみこと会話を交わしました。あの問題どうだった、という話から、こんど山に登りに行くという話でした。しかし、そのあと、彼の姿を見ることはなかった。御父上の巌さんが、脱原発の核物理学者だということをしったのもかなりあとでした。 ちなみに、原子力断捨離とは 【原子力断捨離(げんしりょくだんしゃり)=ホナサイナラ】 これが、先生の口癖であった。 小生、はからずも、学生時代の就職活動シーズンに、あたかも就職活動に気合を入れているふりをして、原子力学科の就職係を担当されていたある先生のもとをブラリと訪れた。何を話したかはいまはもう定かでないが、先生のお気に召さない話題に触れたのだろうか、その瞬間、やおら立ち上がられて、 【ホナサイナラ】 と一言告げてその場を立ち去られた。 その場に残された私は呆気にとられて、しばらくその場を動けなかったが、のちのちになってこの教訓が人生で重大な意味を持つようになる。 「原子力とはホナサイナラである」 、これでいいのだ。先生、ありがとう、人生で一番大切なことを教えてくださいました。私も ホナサイナラ です。 ちなみに、この先生は、政府の原子力安全委員会、ほか、原子力学会などの重職を歴任されているとてもエライセンセイです。 大学院時代に核燃料という半年の講義を受けたが、ちんぷんかんぷんだった。何の話かと聞くと、MOX燃料だという。そういえば、どこかの原発で使われるらしい、ということだけわかった。ちなみに、講義がわからないからといって質問をしても無駄らしい、ということも感じた。分かるわからないとか、好き嫌いではなく、その場に居続けるかどうかが問題だった。 そして、この時の先生こそが、原子力断捨離を教えてくれた貴重な恩師である。 追記 日本やフランスの原子力の琴線や逆鱗にふれるようなハナシを長々と聞いていると、どういうとばっちりが飛んでくるかわからない、という疑念をいだかれるかもしれませんので、最初にお断りしておきますが