【わたしの原子力秘史シリーズ 続編その10】私の体験に酷似した90年代の核文学「神の火」、「アトミックボックス」、そして「原発ホワイト」へ。


神の火〈上〉 (新潮文庫) 高村 薫
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90年代にこのフィクション小説がでて話題になりました。
私は当時この小説の内容をしりませんでしたが、東京赤坂にあるゲーテインスティテュートというところで、ドイツ語講座に通っているときに、授業に出ていた人からこの本のことを教えてもらったことがあります。



サスペンス小説のような筋書きではありませんが、私にも似たような経験をしたことがあります。ゲーテ学院の授業に自衛隊から受講に来ていました。ドイツの在外公館に勤務するのが目的だということで、最後の授業のあと宴会を組織するのが絶妙に上手い多芸の人だと感じましたが、自衛隊や官庁の人がわざわざ語学学校に来るというのが奇妙でした。

オメガ計画の経緯はひょっとするとこういうところにあるかもしれません。


日本人と原爆、原発 池澤夏樹(作家) が語る
「アトミック・ボックス」




さらに、「神の火」にも近いストーリーの「アトミック・ボックス」
私のオメガ計画に関する体験もこういう話に近いです。

【わたしの原子力秘史シリーズ 続編その15】

原子力抜け忍戦隊ー原発ヤメタンジャー
旧科学技術庁水戸原子力事務所の車両とカーチェイスをしたというのは本当の話です。当時住んでいた水戸三の丸から、東海村へ出勤途中不審な車が後をつけてくるので、途中で待ち伏せし、車両の後を1時間くらい追跡して写真を撮りました。明確な文言がなにもなく、意図の不明なことを繰り返すのはやめて欲しいと思いました。



原発ホワイトアウト 若杉 冽










原発ホワイトアウトは、311以降の原発政策をめぐる状況をいろいろなアクターにロールプレイさせながら描いていますが、若干ごちゃまぜ感があります。
また現時点で運転状態にある原発サイトが記事の対象になっており、ジェイパークや時期計画や加速器駆動型未臨界原子炉のような次世代に投資する話はもりこまれていません。
なので、直接の関係は薄いですが、原発ホワイトアウトのなかに目を引くものもあります。

1.もんじゅ西村裁判(解説Wiki)
1995年12月8日に発生したもんじゅのナトリウム漏洩火災事故において、事故現場の様子を撮影したビデオの一部を隠したことが発覚し、マスコミに追及された。 隠蔽公表の翌日の1996年1月13日6時10分、ビデオ隠しの特命内部調査員としてマスコミ報道の矢面に立たされていた動燃総務部次長の遺体が発見された。警察発表で自殺とされた。
遺族は自殺の原因を動燃にうその記者会見を強要されたためであるとして損害賠償請求訴訟を起こしたが、2012年1月31日付けで敗訴が決定した。

2.東電OL殺人事件(解説Wiki)
http://ja.wikipedia.org/…/%E6%9D%B1%E9%9B%BBOL%E6%AE%BA%E4%…

3.盗聴(通信傍受法)
これら三つとも、90年代に起きていることで、この3つのうちのどれかもしくは3つとも(?)が、オメガ計画の論議のあった時代背景にあるような気がします。

4.原子力研究所におけるゴジラとデバガメの対決
原子力研究所に就職した私を指して、原研で盗聴を主導していた3人のミスターIが私のことを「ゴジラ」と呼んでいました。これにたいして、私は盗聴をするコンピューターシステムに量子暗号鍵「デバガメ」を開発して盗聴を無力化する対策を立てました。


【わたしの原子力秘史シリーズ 続編その10】

結局、原子力に賛成なのか、反対なのか?

手短に言うと、原子力産業を知るまでは単純に反対であったのが、原子力技術と原子核科学をしることによって、反対と賛成の間のグレーゾーンがひろがってしまった、それによって、個々の問題の技術的オプションを検討することに時間が割かれたので、簡単に白黒が付けられなくなった、ということです。

ところが、現在、日本が迎えている状況は、検討の余地に時間をかけている場合ではなく、脱原発の方向に変化をもたらせばそちらに動きうる状況なので、短期間にデザインする必要があります。私のスコープで設計するとすれば、次のようになります。

1.原子力国民投票(NPTへの関与の度合いを社会アセスメントできめる)
2.日米原子力協定
3.日露協定および二国間原子力協定
4.安保理改革+IAEA/WHO問題


テクノロジーアセスメント(TA)という分野があって、私の第二専門分野なのですが、TAは過去、日本でも盛んにやられたものの、90年代以降は多用されていません。欧州で唯一、TAがなされています。その手法を原子力問題に適用する、というのが、本来の社会工学もしくは社会技術のあり方ですが、残念ながら、そういう理想形はなりたっていません。
理想形が可能であるとするなら、という条件付きで議論をすれば、NPTへの関与をどのくらい日本国としてしていくのか、という入口から入るべきです。もちろん、NPT
への参加だけではなくて、NPT脱退論というのもあり、巷でいわれるような、NPT脱退+核武装論、という危ない選択肢があるということも気をつけながら。


原子力の専門家としてなんらかの見解がだせるのは、おおよそ、この範囲までで、4)の問題の後半からは、宇宙技術と情報技術による別枠の仕切りが入るとおもいます。


5.国際宇宙法と宇宙空間利用、通信衛星と情報化技術
よく知られているように、アセンブリー(部品集合体)としての原子炉や原子力装置は、軍事核のような破壊的効果もあるとどうじに、標的になった時の被害も大きいので、原子力技術よりも、それらをサーベイし監視・分析する宇宙通信技術の方が優位にくる、という考え方です。

現段階では、この宇宙通信技術は防衛分野を除いてそれほど大きな実効支配状態にないので、この分野があと数倍の規模に成長するまでに、1)ー4)の原子力技術の社会的決定能力の問題に解決をあたえるべきと考えます。
日本では、欧米法のような社会アセスメントを実施しないで、政府の内部文書だけで原発を止めている状況にありますが、社会アセスメントを導入すれば、住民投票もしくは国民投票によって、10-20年くらいの原子力モラトリアムを施行することも可能になります。

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